【良寛】災難に逢う時節には災難に逢うがよく候 死ぬる時節には死ぬがよく候 是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候

2014年5月14日
イラスト:nihhiイラスト:nihhi

今年も蚊が飛び回る季節がやって参りました……。が、私は、それをそんなに憂鬱なこととは認識していません。なぜなら、数年前に、蚊に刺されたときの一番の対処法を体得したからです。

それは「刺されても、気にしないこと」。

いや、すみません、彼岸寺のメルマガなのに、一体なにを書いているのか、小出は!? と突っ込まれても仕方ないのですが……でも、これ、本当なんです。虫刺されって、掻けば掻くほど腫れるし、かゆくなるんです。

この事実に気づいてからは、私、蚊に刺されても、一切いじらず、放置しておくことにしています。すると、だいたい5分から10分でかゆみはおさまり、30分もすれば腫れもひきます。(あくまで小出の場合は、ですが……。)そうなればもう大丈夫。薬なんか必要ありません。

最初は、偶然かな? とも思ったのですが、何度刺されてもだいたい同じ経過を辿るので、ふーむ、面白いものだなあ……と。

それで、ふと思ったんです。これ、実は人生の苦しみ全般にも当てはまるのかもしれないな、と。

苦しみは、実は、自分の外側には存在しません。なんらかの出来事に対して、「とんだ災難だ!」「最悪だ!」「どうしよう!」と騒ぎ立ててしまう自分の中にこそ生じるものです。どんなことが起こったとしても、「Let it go」と、おおらかに構えていることさえできれば、そもそも、問題は問題として成立しないのですよね。

……とは言え、いつだってその境地に生きることは難しいんですけれどね。でも、これは、ひとつ、修行になるかなあ、と。まずは、次回、蚊に刺されたときに、「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候」と、良寛さんになった気分で、そっとつぶやいてみることからはじめてみましょうか(笑)

「ほぼ週刊彼岸寺門前だより」2015年6月14日発行号より転載)