【勝鬘経】花は咲く縁が集まって咲く

2014年5月14日
イラスト:nihhiイラスト:nihhi

今回は、桜の季節にふさわしいことばをチョイスしてみました。原文では、「花は咲く縁が集まって咲き、葉は散る縁が集まって散る」と続きます。

花は、決して自分の力だけで咲くのではない―― その背後には、個別の花のいのちを遥かに超えたところにある、たった「ひとつ」の“ほんとうのいのち”=果てしなく大きなご縁のネットワーク、それ自体のダイナミズムがあって、その結実として、個々の花というかたちで、この世にあらわれ出るのでしょう。

花だけじゃありません。草も、虫も、鳥も、水も、風も、光も、そして私たち人間も、すべて、“ほんとうのいのち”の表出として、個別のいのちを生かされているのですね。

決して変わることのない「ひとつ」を生きながら、移りゆくすべてに、しみじみとこころを動かすこともできる……。それ自体、ほんとうに、奇跡のようなことだなあ、と思うのです。

「そのようになっている」すべてに、ただただ感謝だなあ、と……。

「ほぼ週刊彼岸寺門前だより」2016年3月20日発行号より転載)