将来僧になって結婚して欲しい

2014年7月20日

本日、筆者旅行中につき、数年前に書いた原稿をアップしておきます。「BTUTUS(ブツータス)-仏ライフスタイルマガジン-」という名の幻の名冊子(!)のために書いたはいいけれど、そのままお蔵入りとなっていたものです。なので、現在とは若干状況が異なっている部分はあります。でも、それもまた面白いので(笑)このまま載せてしまいます。どうぞお楽しみください……!

 

 

仏像好きを公言しているとさまざまなことが起こる。

 

将来僧になって結婚して欲しい、とは椎名林檎の「丸の内サディスティック」という曲中の歌詞であるが、まさかそれをやけに身に迫るものとして聴いているアラサー女が出てこようとは、アーティスト本人だって思ってもみなかったのではないだろうか。

 

「ねえ、あんた。お坊さんになる気、ない?」

 

それは母から投げかけられた一言であった。

 

「Yさん(母の友人の尼僧さん)、お寺の跡継ぎ探してるんだって。あんた、仏像とか好きじゃない。話してみたら大喜びで。是非に、って。」

 

って、なに勝手に話進めてくれちゃってるのよ……? いや、無理だから。仏像は好きだけど、だからといって、地蔵菩薩と髪型をお揃いにする気はないから。それこそ、毛頭、ございませんから。

 

「髪なんて、どうせ年とれば邪魔になってくるわよ。」

 

そ、そういう問題じゃなくて……。ムリムリ。私、そこまで世をはかなんでいないから。まだまだ俗世でやりたいことだらけだから。

 

「出家してもしなくても生活は変わらないわよ。結婚はもちろんOKだし、肉も魚も問題なし。お酒だって飲み放題。現にYさんなんて食べ過ぎ飲み過ぎで糖尿病になっちゃったんだから! アッハッハ!」

 

わ、笑いごとじゃないっすよ……。インシュリン注射打ちながらお経あげる坊さんって、どうなのよ。ていうか、酒につられて女の命である髪を失ってたまるか!

 

と、ここで父登場。

 

「坊主丸儲けって言葉知ってるか? あの寺の檀家数はすごいからな。さっさと坊さんになってお父さん達にいい思いをさせてくれ。」

 

絶句……。この両親、娘の髪の毛と引き換えに、悠々自適なシルバーライフを手に入れようと企んでいるのだ。もう私、ほとんど涙目である。煩悩に乗っ取られた両親を持って、私は恥ずかしいよ……!

 

……しかし、まあ、私自身が出家しなくても、坊さんの嫁になるという道もあるな、結婚した時点では一般リーマンだったとしても、その後うまいこと 言いくるめて相手を出家させるっていう手も、ないことはない、ふむ、坊主丸儲けね、悪い話じゃ、ないんじゃない? なんてことを一瞬にして考えてしまった私は結局煩悩の奴隷なのであり、それならば頭の形の綺麗な人と結婚したいな、坊主頭が似合うかどうかはそこにかかっているからね……と、男性の頭部の形ばかりを見つめている自分がいたりいなかったりの今日この頃である。

 

チーン。