世界は鏡

2014年9月28日

昨日のお昼、近所のカフェに入ったときのこと。忙しかったのだろう、女性店員さんにかなりぞんざいな対応をされて、思わず、「感じ悪いな~」とつぶやきかけた。

 

お店に入った瞬間から、彼女がギスギスしているのが分かった。笑顔のひとつも浮かべずに、私たちの座るべき席を乱暴な感じで指し示し、さらに飲みものを持ってくるときもばたばたとしていて、結果、飲みものをソーサーの上に少しこぼした。でも、それにも気づかず(気づかないふりをしたのかもしれない)、さっとこちらにお尻を向けて、足早にキッチンの方へと戻っていった。

 

「はああ? なにあの店員さん! あれが接客業に従事する人間の態度かあ~!?」

 

と言って機嫌を損ねるのは簡単だった。というか、実際、かなり不愉快になった。でも、いらいらしながらも、私は、ふと、こんな風に思ったのだ。

 

「もしかしたら、自分の中に彼女に見たのと同じ性質のなにかがあるから、今回の事態が目の前に現れたのかもしれないな……」

 

考えれば考えるほど、そうとしか思えないのだった。

 

 

 

それで、次に彼女がテーブルにやってきて、注文した食べものを置いた瞬間、私は、意識的に彼女の目をしっかりと見て、伝えてみた。できるだけ明瞭な発音で。にっこりと笑いながら。

 

「ありがとうございます。美味しそうですね~!」

 

彼女は一瞬驚いたような顔をして動きを止めたが、すぐに、

 

「そうなんです。これ、すっごく美味しいんですよ」

 

と言って、ぎこちなくも、嬉しそうに笑って、丁寧に頭を下げてくれた。照れたようなその笑顔が、とても可愛かった。その瞬間、40代ぐらいのその店員さんが、小学生の女の子のように見えた。

 

ああ、なんだ、こっちが本来のこの人なんじゃん、と思った。お店を出るときには、嫌な思いをしたことなどすっかり頭から消え去っていた。「ごちそうさまでした。おいしかったです!」と心の底からやさしい気持ちで伝えることができた。

 

先に笑ってみて、本当に良かった、と思った。

 

 

 

 

 

たとえば、目の前にいる人に疑いの眼差しを向けてしまうようなとき。それは自分が、いつか、誰かに対して「信頼のおけない態度」をとったことがあることの表れ。

 

たとえば、目の前にいる誰かに悪意のある態度をとられたとき。それは自分が、いつか、誰かに対して悪意を持って行動をしたことがあることの表れ。

 

 

 

世界はきっと、鏡そのものだ。

 

自分の中にないものは、自分の世界に出現しない(できない)ようになっている。

 

これは、どうやらこの世の真実であるらしい。

 

 

 

自分以外の誰かを変えることはできない。なぜならそれは鏡に映った景色でしかないから。

 

それならば、鏡に映る以前の、世界そのものである自分の方を変えていくしかない。

 

 

 

悪意に満ちた世界を見たくないのならば、自分の中の悪意を、できるだけ抑える努力をすればいい。完璧に消し去ることはできなくても、変な風に表に出すことを少なくすることはできるだろう。

 

そして、笑顔に満ちた世界を見たいのならば、自分が先に笑ってしまえばいい。自分から先に、ひらいて、差し出してしまえばいい。

 

 

 

この世の仕組みは、たぶん、ものすごく単純だ。

 

でも、単純すぎるがゆえに、逆に変な風に複雑にとらえられてしまっているのだ。

 

 

 

「いや~、だって実際、この世はそんな簡単なところじゃないでしょう!」

 

……なんてことを言う人は、「世界が簡単であるわけがない」という自分の意識を映した世界に生きているわけだから、そりゃあ、あなたにとっては、世界は複雑で、どうしようもなく難しい場所になってしまうでしょうよ、というお話で。

 

 

 

「この世は単純」と思っている人には、この世は単純。

 

「この世は複雑」と思っている人には、この世は複雑。

 

「この世は楽園」と思っている人には、この世は楽園。

 

「この世は地獄」と思っている人には、この世は地獄。

 

 

 

「現実」が先にあるのではない。「意識」が先にあるのだ。

 

 

 

もう、本当に、ぜんぶぜんぶぜんぶ! 自分自身の意識の反映なのだ。

 

ぜんぶぜんぶぜんぶ! 表れてしまうのだ。

 

 

 

 

 

私たちは、自分の意識ひとつで、どんな世界の住人にだってなれる。どんな世界を選んでもいいのだ。まったくの自由だ。

 

私は、シンプルで、明るいのが好きだな。

 

だから、そっちを選びます。

 

 

 

 

 

住みたい世界に住んでいいのです。

 

ということで、今日も笑って生きていきます。