仏の「声」のお話

2017年2月27日

おはようございます。小出遥子です。

仏教の思想的な部分に興味を持つ以前、
私は「仏像ファン」を公言して、仏の像を拝むべく、
全国各地のお寺をお参りして回っていました。

そのとき、私の興味は、ほとんど美術的な観点のみに集約されていたので、
像としてあらわされている個別の仏の性格を
いちいち詳しく調べることはなかったのですが、
それにもかかわらず、いま思い返してみたら
奇妙に整合性がつくような……少し不思議なことがあったんです。
今日はそのお話をします。

「仏像と向き合う行為は、そのまま自分と向き合う行為だ」
……というのは、ほんとうにそのとおりで。

最初は「綺麗なお顔だなあ」とか「この衣、細かく作られているなあ」とか、
そういう美術的な視点から仏像を眺めていても、
しばらく経つと、やっぱり、こころが「しん」としてきて、
気がつけばしっかりと両手を合わせて、
仏さまの真正面に座っていることが多々ありました。

で、ここからがちょっと面白いというか、
ちょっと「アヤしい」お話なんですけれど、
当時の私には、ごくごく稀に、仏の「声」が聞こえることがあって……。

「声」と言っても、実際に聴覚を使って聞こえるようなものではなくて、
どちらかと言えばテレパシー的な(ますますアヤしい……)感じで、
私のあたまに、こころに、からだに、ダイレクトに訴えかけてくるもので……。

その「声」が聞こえると、私は、無条件で涙を流してしまうのでした。
「ありがたい」とか、「恐れ多い」とか、そう思うまでもなく、
ほとんど脊髄反射のようにして、ひとりでに涙が出てくるのです。

いま思えば、私は、そのときには、もうすっかり
ひとりの「仏教者」になっていたのかもしれませんね。

それは良いとして……。

仏は、具体的に、私になにを言っていたのか、という話ですが、
まあ、実際はこんなにはっきりことばとしては聞こえなかったのですが、
傾向としては、大きく分けて2種類に集約されます。

ひとつは、「○○しなさい」と具体的な行動を示すパターン。
もうひとつは、ただただ「大丈夫」を繰り返すパターン。

で、いま思い返してみれば、ひとつめのパターンの声を聞かせてくれるのは、
菩薩とか、明王とか、あるいは天部に属する仏さまばかりだった。
彼ら(と言っていいのかどうなのか……)は、そのときの私に必要な「動き」を
インスピレーションとして伝えてくれることが多かった。
で、実際にその通りに行動してみると、不思議と、人生が開けていったんです。

それに対して、如来と呼ばれる仏さまは、
いつだって「大丈夫」としか言ってくれない。
それ以外のことばを持たない、というか、
それ以外に伝えることなどなにもない、という感じ。
具体的なアドバイスは一切なし。
それでも、その「大丈夫」には、理屈を超えた説得力があった。
「仏さまがそうおっしゃるのなら、ほんとうに大丈夫なのだろう。
なにがどうあっても、ほんとうに大丈夫なのだろう」と、無条件に思えたんです。

何度も言いますけれど、私は当時、
仏教の思想的な部分にはそれほど強い関心を持っていなかったので、
「如来」「菩薩」「明王」「天」の区別にも、そこまで興味がなかったんです。

それにもかかわらず、いま考えてみると、それぞれの仏さまは、
完全に、それぞれのキャラクターにあった「声」を届けてくれていたなあ、と。
それが不思議で。

「菩薩」「明王」「天」に属する仏さまは、みな、修行中の身です。
(厳密に言えば「明王」はちょっと違うのですが……。)
衆生を具体的な行動によって苦しみから救うことを、みずからの修行としているのです。
だから、私に対しても、毎回、具体的なアドバイスをくださったのだと思う。

それに対して「如来」は、すでにさとりをひらいた存在です。
さとりをひらいた、ということは、
あらゆる存在のベースにある「法(ダルマ)」とひとつとなっているということで、
そこから見れば、すべては完全であり、完璧であり、
つまりは、絶対的に、「大丈夫」しかない。
だから、私に対しても……というか、たぶん、誰に対しても、
「大丈夫」と繰り返すだけだったのだと思う。

って、いやあ……ほんと「アヤしい」話ですみません。
でも、実際にあったことです。

(ちなみに、いまは、こんな風に「声」が聞こえることはなくなりました。)

面白いですよね。
だからどうだ、というわけでもないけれど、単純に、面白いなあ、と。
なにか、お感じになってくださればうれしいです。

よい一日をお過ごしください◎

 

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