あなたが好きです。

2014年11月21日

たまに、自分が死んだ人の目線そのものになって、宙に浮いたような状態で、世界の全体を見ているような感覚になることがある。意識的にやることもあるけれど、それはたいてい、ふいにやってくる。

 

死んだ人の目で眺めてみれば、世界はとてつもなくうつくしい場所だ。この世のすべては、しあわせそのものでできている。

 

私たちは、ひとりのこらず、完全に愛されているし、愛されているからこそ、この世界に存在できるのだ。

 

そんなことを思って、涙が出てくる。

 

そんなときの私は、完全に世界に恋をしてしまっている。まったくもって、この世のすべてが、愛おしくてたまらないのだ。

 

死んだ人の目線で、生きるよろこびを噛みしめている私は、やっぱり少しおかしいのだろうか。

 

 

 

恋と言えば。

 

私は、いつからか、「好きです」の言葉を口に出すことに、ためらいがなくなった。

 

自分ではっきり決めたのだ。

 

好きな人には好きだと言おう、そうやって生きていこう、と。

 

 

 

実際そうやって生きるようになって、人生が格段に豊かになった。

 

「あなたが好きです」「会えてうれしかったです」「ありがとう」

 

そう告げて後悔したことなんか、はっきり言って、一度も、ない。

 

 

 

これはなにも恋愛に限った話ではない。友人でも、憧れていたアーティストの方でも、ものすごく有名な方でも、その日はじめて会った方でも……一緒に過ごした時間が自分にとって特別なものとなったら、私はその気持ちを、まったく遠慮せずに、そのまま相手に伝えてしまう。「好き」という言葉を直接的に使わなくても、浮き立つような自分の気持ちを、できるだけそのままのかたちで、全身全霊をもって伝えてしまう。うまく伝えられなくても気にしない。「伝えたかった」、その気持ちだけは、ぜったいに伝わると思うから。

 

 

 

いま伝えなきゃ、いつ伝えられるんだろう。「いつか」なんて、来ないかもしれないのに。

 

そんな風に思っている。

 

 

 

私も、あなたも、いつか死ぬ。

 

生きているうちに伝えなきゃいけないことって、たくさんあるよ。