「我はアルファにしてオメガなり」

2017年4月2日

おはようございます。小出遥子です。

今日は私の大好きな物語の引用から。

 夜のとばりがおりる頃、少年はその見捨てられた小さな教会に着いた。あのいちじくの木は、今も祭壇に立っていた。そして星が半ば朽ちかけた屋根を通して見えた。少年は羊と一緒にここに来た時のことを憶えていた。あの日はとても平和な夜だった……夢のことを除いては。

 今、少年は羊と一緒ではなく、そのかわりにシャベルを持っていた。

 彼は空を長い間眺めていた。それからナップサックからぶどう酒のぶんを取りだすと、少し飲んだ。そして、錬金術師と一緒に砂漠にすわって星を見ながらぶどう酒を飲んだ夜のことを思い出した。彼は自分が旅したたくさんの道と、神が自分の宝物のありかを示してくれるために選んだ、不思議な方法のことを考えた。もし彼がくり返し見た夢の重要性を信じなかったら、彼はジプシーの女や王様やどろぼうに出会わなかったことだろう……「他にもいろんな人に会った。でも、その道は前兆の中に書かれていて、僕がまちがうことはあり得なかったのだ」彼は独り言を言った。

 少年は眠ってしまった。そして目覚めた時、太陽はすでに高かった。彼はいちじくの根元を掘り始めた。

「年老いた魔術師よ」と少年は空に向かって叫んだ。「あなたは物語の全部を知っていたのですね。あなたが金の一部を修道院に残しておいてくださったおかげで、僕はこの教会に戻ってこられました。修道士は僕がぼろぼろになって戻った時、笑いました。そんなことを僕にさせなくてもよかったのではありませんか?」

「いいや」という声を、少年は風の中に聞いた。「もし、わしがおまえに話していたら、おまえはピラミッドを見なかったころだろう。ピラミッドは美しくなかったかね?」

 少年はほほ笑んだ。そして掘り続けた。半時間後、彼のシャベルは何か固いものに突きあたった。一時間後、少年の前にスペイン金貨の入った大きな箱があった。

(『アルケミスト 夢を旅した少年』 パウロ・コエーリョ=著 山川紘矢+山川亜希子=訳 角川文庫 より抜粋)

先日、夫から、

「ドラクエのラスボスの城って、
実はスタート地点からばっちり見えているんだよね」

というお話を聞きました。

ほんとうはめちゃめちゃ近いところにある。
けれど、そこに辿り着くためには、数々の「冒険」が必要なのだ、と。

示唆深いお話です。

ゴールは最初から目の前に提示されているのに、私たちはそれに気づけない。
世の中、実は、そういうことだらけなのかもしれませんね。

海に立つ波が、海それ自体を探しまわり、
川の流れが、川それ自体を探しまわり……

それが“それ”を「見つける」ときは、「探す」ことをやめたとき。
「なんだ、ここにぜんぶあったじゃん!」
「自分はすでに“それ”だったじゃん!」って。
なんとも皮肉なお話です。

でも、「握ったものを手放す」ためには、
まずは「握る」をやらなきゃいけないように、
「探すことをやめる」ために、
まずは「探す」を熱心にやってみてもいいのかもしれない。

疲れ切ったら、人間、自然になにもしなくなりますから。

「なにもしない」に包まれたとき、同時に、恩寵の光にも包まれて……

「我はアルファにしてオメガなり」という聖書のことばが
真実以外のなにものでもなかったことを知るのでしょう。

よい一日をお過ごしください◎

 

4月22日(土)のお昼に、川崎の髙願寺さんにて、
対話の集い・Templeを開催させていただくこととなりました。

今回は、Temple Web掲載の
「二階堂和美さんとの対話/いのちの記憶はのこり続ける」
という記事を糸口として、みなさまと一緒に、
「いのち」からはじまる対話をたのしめたらいいな、と考えております。

ご興味がございましたら、以下のイベント概要をお読みいただいた上、
(下記「ご参加にあたってのお願い」もご熟読くださいませ)
フォームよりご参加のお申し込みをいただけますとさいわいです。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
みなさまとお目にかかれるのを、楽しみにお待ちしております。

(Temple運営事務局・小出遥子)

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Temple@髙願寺

日時:2017年4月22日(土)13:30~15:30(受付13:00~)

【タイムスケジュール】
◆13:00~13:30 受付&リフレクション1
→お寺=仏さまの見守る空間で、心地良い音楽とともに、
 思い思いにお過ごしください。
◆13:30~13:45 ごあいさつ&リフレクション2
→Temple主宰・小出遥子のごあいさつののち、
 お坊さんと一緒に、参加者全員でお経を読みます。
◆13:45~14:30 ダイアローグ1
→Temple Web掲載の
 「二階堂和美さんとの対話/いのちの記憶はのこり続ける」
 という記事から感じたことを、参加者同士、少人数のグループに分かれて
 シェアリングしていただきます。(事前に当該記事を各自でお読みになった上で
 ご参加くださいますよう、お願いいたします。)
◆14:30~14:45 休憩
◆14:45~15:30 ダイアローグ2
→グループのメンバーを変えて、引き続き、少人数で対話をしていただきます。
 後半のダイアローグのテーマは、ズバリ「いのち」。
 ご縁にしたがって、ざっくばらんに対話をおたのしみください。

《ご参加にあたってのお願い》

・プログラムの進行上、Temple Web掲載の 
 「二階堂和美さんとの対話/いのちの記憶はのこり続ける」 を
 事前にかならずお読みいただいた上でご参加ください。
・Templeは議論の場ではありません。ご自身のお考えを押しつけることなく、
 違った意見もやわらかい心で受けいれましょう。
・全員が心地よくダイアローグの時間を過ごせるよう、
 各グループごとに、お気遣いと工夫をお願いいたします。
 (例:ひとりの方だけが話し過ぎることのないようにする、など)

上記のルールをお守りいただくことが難しい方は、ご参加をご遠慮ください。
もし、このルールに反するような振る舞いが見られた場合は、
その場でご退場いただくこともございます。
安心・安全な場作りのため、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

会場:髙願寺至心学舎
(JR南武線・東急東横線「武蔵小杉」駅 北口バスロータリー1番のりば(市営バス)、もしくは2番のりば(東急バス)より、バス停5つ目「市営等々力グランド入口」下車すぐ)
http://www.kouganji.net/index.html

定員:30名(先着順)

参加費:2000円(当日、受付にてお支払いください)

お申し込み: こちら↓のフォームよりお願いいたします。
http://ur2.link/Ccn0 

お問い合わせ:temple00001.info@gmail.com 
※髙願寺への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

主催:Temple運営事務局(主宰・小出遥子)

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Temple Website:http://temple-web.net/
Temple Facebookページ:https://www.facebook.com/temple00001
Temple Twitter:https://twitter.com/Temple00001