ひとりぼっちなんかじゃない

2017年4月14日

おはようございます。小出遥子です。

今日はコチラの引用から。

 さて、話は全然変わって。

 これを書いているのはともちゃんではなくて、ともちゃんの人生をかいま見た小説家なのだが、その小説家も実は自分が書いているのではなく、何か大きなもの、ここでは便宜上神様と呼ばれるものに、頼まれて書いているのだ。

「どうして私が? どうして私だけにこんなことが?」という身を裂かれるような疑問を、今日も世界中で大勢の人が発している。そう、神様は何もしてくれない。ともちゃんのお父さんの目を覚まさせることもできなかったし、ともちゃんがレイプされているのを天からの雷かなにかで止めてくれることもなかったし、ともちゃんがひとりぼっちで病院の庭で泣いているのに、突然現れて肩を抱いてくれることもなかった。

 三沢さんとともちゃんがうまくいくとも限らない。あるいは北海道に一緒に行くかもしれないが、ともちゃんの貧乳や乳首の黒さを見て三沢さんががっかりするかもしれないし、ともちゃんの持つ得体のしれない悟りの雰囲気が、彼をひかせるかもしれない。あるいは、その神秘にどこまでもひきつけられて、ふたりは結婚するかもしれない。結婚したって、ともちゃんがずっと幸せとは限らない。三沢さんもいつか、お父さんのように若い女と逃げてしまうかもしれない。

 いずれにしても神様は何もしてくれやしない。

 でも、それは神と呼ぶにはあまりにもちっぽけな力しか持たないまなざしが、いつでもともちゃんを見ていた。熱い情も涙も応援もなかったが、ただ透明に、ともちゃんを見て、ともちゃんが何か大切なものをこつこつと貯金していくのをじっと見ていた。

 お父さんが秘書にひかれていくのを見て、とてもとても傷つき、夜中に何回も寝返りをうったともちゃんの胸の痛みを、丸く縮こまった背中を。小さいときには一緒に遊んだ場所で、幼なじみの欲望に打ちのめされたともちゃんの感じていた、固く嬉しくない地面の感触を、そのあとひとりで歩いて帰るともちゃんのぼうっとした悲しい顔を。

 そして、お母さんが死んだとき、最高に孤独な夜の闇の中でさえ、ともちゃんは何かに抱かれていた。ベルベットのような夜の輝き、柔らかく吹いていく風の感触、星のまたたき、虫の声、そういったものに。

 ともちゃんは、深いところでそれを知っていた。だから、ともちゃんはいつでも、ひとりぼっちではなかった。

(『デッドエンドの思い出』 よしもとばなな=著 文藝春秋=刊 収録「ともちゃんの幸せ」より抜粋)

これはきっと「ともちゃん」だけの話じゃない。
私たちみんな、無条件に、
いちばん深いところで、すでに、完全に、受けいれられている。

誰に?

この、世界に。
便宜上、神や、仏と呼ばれているものに。

私たちは、いま、この瞬間も、すでに愛の中にある。

「決してそうは思えない!」とヤケを起こして
暴れまわる自由さえ与えられているほどに、
私たちは、ゆるされているし、愛されている。

だから、私たちは、
ひとりぼっちなんかじゃ、ないです。

少し短いけれど、引用が長かったので今日はここまで。

よい一日をお過ごしください◎

 

4月22日(土)のお昼に、川崎の髙願寺さんにて、
対話の集い・Templeを開催させていただくこととなりました。

今回は、Temple Web掲載の
「二階堂和美さんとの対話/いのちの記憶はのこり続ける」
という記事を糸口として、みなさまと一緒に、
「いのち」からはじまる対話をたのしめたらいいな、と考えております。

ご興味がございましたら、以下のイベント概要をお読みいただいた上、
(下記「ご参加にあたってのお願い」もご熟読くださいませ)
フォームよりご参加のお申し込みをいただけますとさいわいです。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
みなさまとお目にかかれるのを、楽しみにお待ちしております。

(Temple運営事務局・小出遥子)

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Temple@髙願寺

日時:2017年4月22日(土)13:30~15:30(受付13:00~)

【タイムスケジュール】
◆13:00~13:30 受付&リフレクション1
→お寺=仏さまの見守る空間で、心地良い音楽とともに、
 思い思いにお過ごしください。
◆13:30~13:45 ごあいさつ&リフレクション2
→Temple主宰・小出遥子のごあいさつののち、
 お坊さんと一緒に、参加者全員でお経を読みます。
◆13:45~14:30 ダイアローグ1
→Temple Web掲載の
 「二階堂和美さんとの対話/いのちの記憶はのこり続ける」
 という記事から感じたことを、参加者同士、少人数のグループに分かれて
 シェアリングしていただきます。(事前に当該記事を各自でお読みになった上で
 ご参加くださいますよう、お願いいたします。)
◆14:30~14:45 休憩
◆14:45~15:30 ダイアローグ2
→グループのメンバーを変えて、引き続き、少人数で対話をしていただきます。
 後半のダイアローグのテーマは、ズバリ「いのち」。
 ご縁にしたがって、ざっくばらんに対話をおたのしみください。

《ご参加にあたってのお願い》

・プログラムの進行上、Temple Web掲載の 
 「二階堂和美さんとの対話/いのちの記憶はのこり続ける」 を
 事前にかならずお読みいただいた上でご参加ください。
・Templeは議論の場ではありません。ご自身のお考えを押しつけることなく、
 違った意見もやわらかい心で受けいれましょう。
・全員が心地よくダイアローグの時間を過ごせるよう、
 各グループごとに、お気遣いと工夫をお願いいたします。
 (例:ひとりの方だけが話し過ぎることのないようにする、など)

上記のルールをお守りいただくことが難しい方は、ご参加をご遠慮ください。
もし、このルールに反するような振る舞いが見られた場合は、
その場でご退場いただくこともございます。
安心・安全な場作りのため、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

会場:髙願寺至心学舎
(JR南武線・東急東横線「武蔵小杉」駅 北口バスロータリー1番のりば(市営バス)、もしくは2番のりば(東急バス)より、バス停5つ目「市営等々力グランド入口」下車すぐ)
http://www.kouganji.net/index.html

定員:30名(先着順)

参加費:2000円(当日、受付にてお支払いください)

お申し込み: こちら↓のフォームよりお願いいたします。
http://ur2.link/Ccn0 

お問い合わせ:temple00001.info@gmail.com 
※髙願寺への直接のお問い合わせはご遠慮ください。

主催:Temple運営事務局(主宰・小出遥子)

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Temple Website:http://temple-web.net/
Temple Facebookページ:https://www.facebook.com/temple00001
Temple Twitter:https://twitter.com/Temple00001