ナウシカと布袋さん

2015年1月5日

◆人間は説得では変わらないが感化により変わる。自我(Ego)ではなく自己(Self)で生きる存在に人間は感化される。存在そのものの感化と共鳴により(I’m OK. You are OK)、世界はよくなっていく。その先に、新しい共同体が生まれると、思う。

 

(東京大学医学部附属病院循環器内科・稲葉俊郎さん講演

@表参道かぐれ 食と暮らしのものさし作り講座6 配布資料より抜粋)

 

 

 

 

 

「人間は説得では変わらないが感化により変わる」

 

もう、本当に、本当に、本当にそうですね。そうなのでしょう。

 

首がもげそうなぐらいにぶんぶんうなづいてしまいます。

 

 

 

私、昨年末に、超・超・超・いまさら! 映画『風の谷のナウシカ』を観たんですよ。いや、ほんといまさら過ぎるのですが、いままで断片的に映像を観たり、セリフを聞いたりすることはあっても、通して観たことはなかったのですね。

 

もうね……ものすごく、感動しました。

 

いまという時代を生きるヒントしかない映画だと思いました。

 

 

 

ナウシカは本当にすごい。素晴らしい女性です。

 

彼女は基本的に「戦い」を選ばない。常に共存の道を探っている。

 

なによりもすごいのが、彼女はだいたいいつでも瞑想状態で生きているっていうこと。

 

静かで、肚が据わっていて、うつくしくて……。

 

武器も、ことばすらも用いず、その存在そのもので勝負をかけている。

 

「愛」とでも呼ぶべきものを全身から放って、相手の「おそれ」を取り去ってしまう。

 

そうして調和へと導いていく……。

 

 

 

ああ、もう、思わず「姫ねえさま~!」と叫んでしまうよ! 青いワンピースを着たくなってしまうよ!

 

ナウシカ……。

 

憧れの女性だ……。

 

 

 

「感化」と聞いて、ナウシカの他にもうひとつ思い出すのが、禅のさとりの十段階を描いた『十牛図』という絵の最後の一枚、「入鄽垂手(にってんすいしゅ)」という図。

 

厳しい精神修行を終えたのち、ふくふくとした顔とからだで街に戻っていく布袋さんのような姿の人間。彼は、手をだらりと下に下げて、ただただニコニコと笑って童子と向き合っている――

 

彼は、もはや、その、どこかファニーな姿だけで、人を救うようになっています。

 

それこそ、接する人たちの心の中にある「おそれ」をとかして、「愛」に変えてしまうのです。

 

ただ、そこにいるだけで。

 

まさに、「説得」ではなく「感化」によって、人を導いていくのですね。

 

 

 

ナウシカにしろ、布袋さんにしろ……もうね、ほんと、「こうあるべきだよな~」って思います。

 

こちら側のこころの中に「おそれ」があっちゃ、どんなにことばを重ねたところで、相手にはなにも伝わらないのだな、と。

 

「愛」そのものとして生きていれば、ごくごく自然に伝わっていくものがあるのだな、と。

 

あたらしい時代の生き方だと思います。

 

 

 

いつだって自分の中の「愛」とつながっていたいですね。「愛」そのものとして生きていきたい。

 

それにはやっぱり、自分のこころとからだの声に素直に耳を傾け、それに沿った行動をとっていくのが一番なのでしょう。「心身をととのえる」っていうのは、こういう地道な作業を指すのでしょう。

 

 

 

私はナウシカになりたいし、布袋さんになりたい。

 

一朝一夕にはいかないかもしれないけれど、彼らをこころに置いておくことはできるし、意識して、生きていくことは、できる。

 

 

 

まずは、そこから、はじめてみようと思います。