腰骨を立てること。

2016年10月5日

おはようございます。小出遥子です。

いま、円覚寺の横田南嶺老師の最新刊、
『人生を照らす禅の言葉』(致知出版=刊)を拝読しています。
やわらかく、詩的なことばづかいで、禅の……というより
“すべて”の「本質」を端的にお示しくださるお話ばかり。
仏教思想にふだん触れていない方にもおすすめです。
寝る前に、一語ずつ、噛みしめるように、大切に読んでいます。

この本、表紙を開くと、
そでの部分にこんなことが書いてあるんです。

本書を読む上で大事なこと
第一、腰骨(こしぼね)を立てる
第二、丹田に力を込める
第三、長い息をする

……おもしろいですよね。
これが最初に提示されているなんて、
ほんとうに、すごく丁寧で親切だな、と感じます。

これは、つまり、
「あたまだけで読まないでくださいね」
「からだまるごとで味わってくださいね」
というメッセージなのだと思います。

(そう……ですよね? 違ったらごめんなさい。)

最近あらためてしみじみよく思うのは、
つくづく、あたまは「旅」をしがちだな~! ってこと。
いつだって目の前のことに集中できなくて、
「いま」にいられなくて、
「過去」や「未来」に遊んでしまう……。

でも、あたまの中がどんなに「いま」以外の
ファンタジーでぱんぱんに満たされようと、
からだはいつだって「いま」にいて、
「ここ」で起こるすべてとともにあるんですよね。

これはほんとうにありがたいことです。

ファンタジーの世界からリアリティーの世界に戻りたいときは、
からだの感覚に意識を向けるだけでいいんです。
ほんとうにそれだけでいいんです。
簡単です。

その手立てのひとつとして、横田老師は
「腰骨を立てる」
ということをおすすめされているのでしょう。

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腰骨を立てることを端的に「立腰(りつよう)」とも申します。立腰の要領は、次の三つなのです。第一、まず尻をウンと後ろに引き、第二に腰骨の中心を前へウンと突き出し、第三に軽くアゴを引いて下腹にやや力を収めるのです。

また腰骨を立てているとどんな良いことがあるかというと、立腰功徳して、一、やる気がおこる、二、集中力が出る、三、持続力がつく、四、頭脳がさえる、五、勉強が楽しくなるなど、いいこと尽くめなのです。

腰骨をシャンと立てて、下腹(丹田)に気力を込めて、ゆっくりと息をします。それでこころが落ち着いてきます。こころが落ち着いてこそ、初めてありのままの様子が見えてきます。それが智慧です。

坐禅をするのは、ただ無心になって何も感じないのではありません。正しい智慧を生み出すのです。私を勘定に入れないで冷静な判断ができることが智慧です。

(同書p.12-13より抜粋)

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「ありのままの様子」をただ見て知って(如実知見)、
「私を勘定に入れないで冷静な判断ができる」こと……。
ほんとうに、もう、これさえできれば一切はととのってしまいますよね。
ととのってしまう、というより、
すでに一切はととのっていたことに気づくんですね。

あたまの中の思い煩いに惑わされず、
ただただ目の前に展開している「いま」「ここ」のすべてとともにあること。
これは、ほんとうに、すごく楽な生き方です。

その第一歩が腰骨を立てること。

実際やってみるとわかりますけれど、
これはほんとうに簡単だし、あたまに上っていた血と気が、
一瞬でおなかのあたりにまで降りてくるのがわかります。
ここに呼吸を組み合わせたら、恐いものナシですね。
(個人的には、吐く息を長くする呼吸がおすすめです。)

ぜひ、やってみてください。
私も、続けてみます。

ほんとうに、からだはありがたいですね。
大事にしたいな、と思います。

 

お読みくださってありがとうございます。

よい一日をお過ごしください◎