いのちひとつ

2018年2月1日

おはようございます。小出遥子(こいではるこ)です。

 

大峯:僕の場合は、寺に生まれたからかな。死ぬことに対する不安というのはもちろんあったけれど、死んでそこで終わりとは思っていなかったね。そういう雰囲気の中で育てられたんだね。死んで墓場に持って行かれて焼かれようと、そこで終わりだとは思わなかった。そういう考えだけは持たなかったね。
 これは環境のおかげというか、宿縁や伝統の力だと思います。僕だって、もしふつうの家庭に生まれていたら、そういう風に思えたかどうか、これはわからない。やっぱり、浄土に生まれた人々に導かれていたんだと思います。

小出:浄土に生まれた人々、ですか。

大峯:そう。浄土真宗には「還相回向(げんそうえこう)」という思想があります。親鸞さんが深く解読した経典の思想ですけれどね。阿弥陀の本願のはたらきには二種類ある。ひとつは、この世を超えて、浄土という真理の世界に生まれさせるはたらき。これを「往相回向(おうそうえこう)」と言います。
 ところがそれだけで終わらない。往相回向によって仏になった人は、今度はまだ仏になっていない人々を救いはじめるんだね。つまり、自分の個体の生に執着して迷って苦しんでいる存在を、その自己中心的な小さな視野から解放するはたらきをする。これを「還相回向」と言います。浄土に生まれた人が娑婆に還ってくるというわけです。

小出:真理の世界に到達したらそれでおしまい、じゃないんですね。

大峯:うん。往相回向を得たら、還相回向も同時に得ているんです。「南無阿弥陀仏の回向の恩徳広大不思議にて往相回向の利益には還相回向に入せり」という和讃があります。南無阿弥陀仏というひとつの真理の中に、往相回向と還相回向が入っている、と。往相回向の中に、還相回向が入っている、と。一見するとふたつあるように思うけれど、あれは方向の違いを言っているだけで、実際はひとつなんだね。
 そのことを僕は環流(かんりゅう)と言っているわけです。弥陀の本願海の水は回っているんだ。直線的に、こちらから向こうへと流れている川と、向こうからこちらへとやってくる川があるんじゃなくて、ひとつのものとして浄土と娑婆の間を巡っているんだ。

小出:そこには切れ目というか境目がないんだ、と。

大峯:方向が違うだけであって、同じひとつの流れなんだ。おなじひとつのいのちの流れなんだ。そういうのが親鸞さんの考えですね。

 

『教えて、お坊さん!「さとり」ってなんですか』(小出遥子=著、KADOKAWA=刊) 大峯顕さんとの対話より

こぼれ続ける涙をぬぐうこともせず、
ただ、「南無阿弥陀仏」をとなえました。

繰り返される「南無阿弥陀仏」は、
いつしか、あなたのお声となって、この耳に届きはじめました。

還相回向ということばの意味が、
いま、ようやく腑に落ちた気がしています。

大峯先生。
ほんとうにありがとうございました。
お会いできて、よかったです。

南無阿弥陀仏

 

2月4日(日)の13時から、北鎌倉の円覚寺さんにて、
Temple School第4弾を開催します!
ゲスト講師はタイ上座部仏教僧侶のプラユキ・ナラテボーさんと、
臨済宗円覚寺派管長の横田南嶺老師。
講師同士の対話と、プラユキ先生による手動瞑想のワークショップとで
立体的に「いのち」のはたらきを学び、感じたあとは、
参加者同士の座談会の時間を取り、さらに立体的に理解を深めていただきます。
先着80名さま限定です! どうかお早めにお申込みくださいませ。

http://temple-web.net/event/98/

3月5日(月)の18時半から、大阪市天王寺区の應典院さんにて、
Temple School第5弾を開催します!
ゲスト講師は禅僧の藤田一照さんと、武術家の光岡英稔さん。
イベント後は講師二人の共著『退歩のススメ』(晶文社)のサイン会も予定しています。
こちらも先着80名さま限定。どうかお早めにお申込みくださいませ。

http://temple-web.net/event/101/

次回「遥子の部屋」は、3月2日(金)20時からです。

小出遥子への質問、お悩み相談、最近のブログやTempleのご感想など、
どなたさまでもお気軽にメッセージくださいませ~。
ご質問やご相談には、番組内で、可能な限り、お答えさせていただきます。

フェイスブックページ(https://www.facebook.com/koide.haruko/)に
メッセージを送っていただくか、
Templeのメールアドレスにお願いします。

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(@を半角に変えてお送りください) 

あなたのお話、小出遥子が対面でお聞きします。
お悩みのご相談もOK。
これまでの人生をしみじみと振り返っていただくのもOK。
どのようなお話でもまったく問題ございません。
安心できる空間(東京都内のお寺の一角など)で、
ゆっくり、じっくり聞かせていただきます。
もちろん、秘密は厳守いたします。
ご興味ございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

temple00001.info@gmail.com
(@を半角に変えてお送りください)

東京と京都で「リアル版・遥子の部屋」というお話会を開きます!
くつろげる空間で、おいしい食べ物や飲み物(お酒も!)をたのしみながら、
みなさんと、の〜んびりお話できたらな、と思っています。
このブログに書いているようなお話も、もっとディープに語っちゃおうかな。
ご質問も大歓迎ですよ〜。

◆2月18日(日) 13時半〜15時半 東京都内笹塚駅周辺某所
◆3月4日(日) 13時半〜15時半 京都市祇園周辺某所

いずれも参加費は2000円です。

ご興味ございましたら、ご希望の会場(東京or京都)と、
お名前と、ご連絡先と、小出へのひとことを添えて、
以下のアドレスまでお申し込みください。
メールタイトルは「「リアル版・遥子の部屋」参加希望」としてください◎

このブログを読んでくださっている方でしたら、
老若男女問わず、どなたでもご参加いただけます。
お気軽にお越しくださいね。お待ちしております!

temple00001.info@gmail.com
(@を半角に変えてお送りください)