結婚一年目を迎えることになりました。

2016年4月8日

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日本語では「おのずから」と「みずから」とは、ともに「自(ずか)ら」と「自」の字をもって表します。そこには、「みずから」為したことと、「おのずから」成ったこととが別事ではないという理解が働いています。

 

われわれはしばしば「今度結婚することになりました」とか「就職することになりました」という言い方をしますが、そうした表現には、いかに当人「みずから」の意志や努力で決断・実行したことであっても、それはある「おのずから」の働きでそう“成ったのだ”と受けとめるような受けとめ方があることを示しています。

 

「できる」という言葉にも同様の事情がうかがえます。「出来る」とは、もともと「出で来る」という意味です。物事が実現するのは「みずから」の主体的な努力や作為のみならず、「おのずから」の働きにおいて、ある結果や成果が成立・出現することによって実現するのだという受けとめ方があったがゆえに、「出で来る」という言葉が「出来る」という可能の意味を持つようになったとされているものです。さらには自発の「れる」「られる」の助動詞が、そのまま受身でもあり可能でもあるというところにも同じ発想を見いだすことができます。

 

(中略)

 

「今度結婚することになりました」という言い方には、たんに当事者不在の自己弁護だけをしているのではなく、結婚相手に出会うことをはじめ、その後のいろいろな幸不幸の出来事、あるいは人の手助けもふくめて、「みずから」では及ばないところでの働きも相俟って、やっと結婚という事態にいたったという、「みずから」を超えた働きへの感受性が表明されていると考えることができます。

 

 

 

(竹内整一著 『花びらは散る 花は散らない ―無常の日本思想』 角川選書 より抜粋)

 

 

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去年の今日更新したブログに載せた文章を

 

またまた引用してみました。

 

竹内さんの文章、ほんとうに素晴らしいですよね。

 

そうそう! これこれ! まさにまさに!

 

って力強くうなずきつつ引用したことを覚えています。

 

書き立てホヤホヤの婚姻届をPCの横に置いて……(笑)

 

 

 

“「おのずから」と「みずから」のあわいですべてが起こっている”

 

 

 

入籍して丸一年が経過した今日も、

 

まったく同じ感懐を抱いています。

 

 

 

……いや、まったく同じ、ではないかもしれません。

 

いまの私は、

 

“「おのずから」と「みずから」のあわいですべてが起こっている”

 

という表現よりも、

 

“すべては「おのずから」起こっている”

 

という表現の方に、よりリアリティーを感じているのです。

 

 

 

この一年の間に起きたことを振り返ってみても、

 

結局、私が「みずから」なしたことなんか、

 

ほんとうに、ひとつだってないんじゃないかな……って。

 

 

 

すべては、「おのずから」起こっている。

 

「みずから」なにかをした、と感じることすら、

 

広大な縁の網目の中で、「おのずから」起こっている。

 

 

 

「おのずから」の包摂から逃れることなんか、決してできない。

 

 

 

……って、こういう書き方をすると、

 

「結婚生活うまくいってないんかい!?」

 

というツッコミが入りそうですが(笑)

 

いやいや、もう、ぜんぜん!

 

びっくりするほど仲良くやらせていただいていますよ。

 

 

 

でも、その「仲良くやらせていただいている」っていう事態も、

 

ほんとうのところ、私や夫の意志とは無関係に、

 

「おのずから」起こっていることなんじゃないかな、って。

 

 

 

無責任な感じに聞こえるかもしれませんが、でも、

 

「みずから」なにかをなそう! 関係性をどうこうしよう!

 

と力んでいたときよりも、

 

「おのずから」におまかせしているいまの方が、

 

もう、断然、いろいろとスムーズだし、

 

「仲良くやらせていただいている」ということが

 

「おのずから」起こりやすくなっている気はします。

 

 

 

……なんだか変な日本語になってしまいましたが、

 

いまの実感を、そのまま書いてみました。

 

 

 

「おのずから」のはたらきに抱かれて、

 

結婚一年目の朝を迎えられたことをしあわせに思います。

 

ただただ、ありがたいな、ありがとう、と思います。

 

 

 

ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

よい一日をお過ごしください◎